カメラは宗教である。一度入信したら出るのは難しい。
入ったら地獄の先までそのメーカと添い遂げるのである。
そんなこんなで諸般の事情で東京に行ったときにニコンミュージアムに寄った。
ウィキペディアにそう書いてるんだが、このミュージアムに行くことをニコンファンの間で「ミュージアム詣で」と称する、らしい。
もうちょっとその呼称、ひと捻りほしい。
どうやらニコン本社にあるようで本社の受付横をすり抜ける形になる。平日だったので俺みたいなミュージアム訪問者も居なかったので思わず「ミュージアム行きたいんですけど…?」と聞いてみたら「はいどうぞ」と軽くあしらわれた。
どうやら受付は無視してもいい。
なんか警備員が後ろで手を組んで仁王たちしてるエレベーターホールを抜けるとミュージアム入り口が見えてくる。やっぱり入りづらいよ。
入り口はいるとやっぱり受付の人がいるんだが、なんか非常に閑散としている。っていうかお客俺しか居なくね…?
入館料は無料である。そのまま受付の人の視線を感じながら奥に入る。
まず見えてくるのが「合成石英ガラスインゴット」である。写真は撮れていない。(撮影は”撮影禁止”となっている場所以外は自由の様子)
そもそも思いつきで来たのでなんの展示があるのかさっぱりわからない状態だったので、「合成石英ガラスインゴット」を見ても「ほーーーガラスのかたまり」という雑な感想しか出なかった。じゃあ「合成石英ガラスインゴット」という情報を知ってから「合成石英ガラスインゴット」を見たところで「ほーーー合成石英ガラスインゴット」というさほど変わらないような感想になりそうであるが。
しかし「合成石英ガラスインゴット」はめちゃめちゃ大きい、これでなんのガラス(というかレンズ)が出来上がるのだろう?当時めちゃめちゃトイレを我慢していたのであまり説明文をじっくり見てない。
一方、「合成石英ガラスインゴット」と反対側にはニコンの年表が書いてあった。しかしトイレを我慢しているので落ち着いて一つ一つ読んでいく心の余裕はなかった。
これを見てほしい。俺はニコンミュージアムに来ているはずだ、なんでそのロゴがあるんだ?え?ん?レンズを見るとちゃんとNIKKORってあるじゃないか。良かったここはニコンミュージアムだった。
さて奥に進むとこのように歴代のカメラがずらーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっと並べてあるのである。
ガラスの扉を飛び出していくつかの機種が触れる状態、しかもシャッター切れる状態で置かれている。興奮する。尿意も消える。
昔のカメラはずっしりとしている。しかも機械式カメラである。レバーのようなものをギーと引いてからシャッターを切らなければならない。
レバーを引いてファインダーを覗くと中央にピント合わせの何か*1があってそれを絵合わせパズルのようにレンズのピントリングを回して合わせていく。
ファインダーの奥の世界は本当にきれい。これが数十年前のカメラなんだと感動しながらゆっくりシャッターボタンを押す。半押しでAFが作動するとかそういうものはない。
「カシャッ」
小気味よい音が人が少ないスカスカのミュージアムに響く。
ああ~ええ音^^
さあ、昔のカメラが作る絵はどんなもんかいといつものように写真の出来栄えを見ようと背面モニターを見ようと…そこには何もない。一体何年前のカメラ触ってるんだ当たり前だ。
一体どんな写りだったんだとモヤモヤ。
だいたい想像つくけど奥に行くといつの間にかデジタル化されており、触れるカメラも最新式のZシリーズになっている。正直ヨドバシカメラでさんざん触っているのでだいたいどんなもんか知ってるのだが、
カシャ
ふーんそういう写りなのね~へえ~
これはモヤモヤが残らない。
反対側にはレンズがにょきにょきと生えている。
金銭感覚が狂ってレンズばっかり買っているカメラ好きの中では「レンズが生えてくる」という表現がよく使われる。
ああこういうことなのか。
日本光学。
Zシリーズの登場で過去のものとなりつつあるFシリーズ。やめないでニコン。
なにやらとてつもなくデカイレンズのようなものがある。”世界最大のズームレンズ”らしい。
え、もう単焦点で良くない?ズーム機能いる?
どうも野球とかで需要があるよう*2でしかしこんなもんどうやって扱うねんと思ってたら、
ありました。最大ズーム1700mmの世界が室内だけども体感できた。
レースで使うと観客席から走行中車両の中にある各メータが見えそう。こんなんでかすぎてレースで扱えんけど。
1700mm!? pic.twitter.com/UVACWSdY2I
— プリン隊 (@custard_pudding) 2020年1月10日
他にもニコンが扱う産業機械の展示があった。
これはだいぶ古い(おそらく20~30年前くらい)半導体製造装置(露光機)である。半導体製造は扱うものは大きく(ウェハサイズの肥大化)、回路はより小さくという世界である。
一番下が400mmウェハかでけー pic.twitter.com/CM1hQXdGwK
— プリン隊 (@custard_pudding) 2020年1月10日
つまり、最新の機器は一番下のウェハを扱うことになるので、今の装置はもっとデカイ。
そんなわけで写真左から右へと露光機もだんだん進化している。
ここでやっぱり尿意がぶり返してきたのでニコンミュージアムをあとにする。
ひとくち羊羹買っておくべきだったなーあちゃー