照査をしてくれ。
現在仕事をしているときによぎる言葉No1である。とある上司に向けた言葉である。こちらは仕様書を書いて上司にちゃんとチャットで照査依頼を出している。もちろん諸事情で超激務ということは知っておりすぐに確認してもらうということは期待していない。
が、2週間待った。7月中にソフトウェアが完成させなければならない。そのケツを決めたのは上司自身である。正直このスケジュールを聞いたとき自身の作業より上司の作業量のことを心配した。ちょっと前に育休で抜けたリーダの代わりも受け持ってしまったこの上司、この時点ですでにパンパンであろうことはまだチームに加わったばかりで歴の浅い俺でもわかる。その上自身で自分の首を締めるようなスケジュールを組んだのだ。
一週間前には口で言った「この仕様書…確認お願いします…」大変申し訳無さそうに、そして下手に。これが世を上手く生きる術。このとき確認してくれたのは2つあるうちの軽い方の仕様書である。うんすぐ見れたよね。そして1週間たった今日。もう一つの仕様書はまだ見られていない。その上司は…在宅勤務だった。そう、オフィスに居ない。どこに探しても居ないのだ。
”依頼”のフェーズにおいて、チャットはかなり切迫度が大きい。「すぐ見てくださいッ!!!」という気持ちが前に出すぎている。かといって今更メールをだしても見てくれはしないだろう。チャットでリアクションが無いのだからメールなんて見てるはずもない。なら口頭で…だが居ないのだ。明日は?わからない。一体どんなチームなんだと俺も心配になっているのだが上司がいつ来るかわからないのだ。おまけにいま腰をやらかしていて通院中らしい。お大事に。
さて、そう言っていると定時だ。残業はするなと言われているので帰るしかない。というか上司の照査が通らないと仕事がもうない。しかたない。当該上司とのチャット画面を開き、
「お忙しい中すみませんが〇〇の仕様書をご確認いただけますでしょうか」
と打って送信。パソコンはシャットダウン。俺はこれでいいのだろうかと不安を覚えながらコペンのハンドルを握り帰宅する。